渋沢栄一 2010 10 31

書名 渋沢栄一 100の訓言
著者 渋澤 健  日経ビジネス人文庫

 今日は、「日本の資本主義の父」と言われる、
渋沢栄一の訓言を見てみましょう。
(以下、引用)
89 外交で最も大切なのは、両国民の感情の融和である。
 外交上世論に訴える場合は、両国政府はもちろん、
国民相互に感情の融和に努力するのが肝要であり、
またその責任である。
「『渋沢栄一訓言集』国家と社会」
 現代の言葉で言うと・・・・・
他国との外交について、世論に訴えるならば、
両国の政府だけでなく、
国民同士の感情が打ちとけるよう努めるのが大切で、
国にはその責任がある。

80 一部が気に入らないと、全体を否定しがちだ。
 とかく人は一局部に不如意のことがあれば、
全体を善からぬものとする弊がある。
「『渋沢栄一訓言集』処事と接物」
 現代の言葉で言うと・・・・・
一般に人は、物事のどこか一つでも、
自分の思惑と違っている、意に染まない部分があれば、
その物事全体を「よくない」と判断してしまう傾向がある。

84 経済に国境はない。
 経済に国境なし。
いずれの方面においても、
わが智恵と勉強とをもって
進むことを主義としなければならない。
「『渋沢栄一訓言集』国家と社会」
 現代の言葉で言うと・・・・・
経済に国境はない。
だから、どこにいても、
自らの才覚と努力によって、
前進しなければならない。
(以上、引用)
 渋沢栄一は、明治時代から大正時代に活躍した人です。
しかしながら、同氏の教えは、現代でも通用する輝きがあります。
 それは、なぜか。
この本によると、渋沢栄一は、
「論語と算盤の一致」というスローガンを掲げて行動したのです。
「論語」に象徴される道徳と、お金を儲ける経済という、
一見かけ離れた二つを融合させること。
それが日本国の発展と、そして築いた富を永続させるために不可欠である、
という信念を持っていたのです。
 数千年経っても、「論語」が輝きを失わないように、
渋沢栄一の訓言も、輝きを失わないことでしょう。
 さらに、この本には興味深いことが書いてあります。
「2006年、武漢の華中師範大学では、
中国で(おそらく)初めて『渋沢栄一研究センター』が設立されました」とあります。
また、「経営学の父」として有名なピーター・ドラッカーも、
渋沢栄一を日本の経済人の理想像として絶賛したとあります。












































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